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EREとは

受験するメリット

EREの長所と使い方:継続受験こそ大切

慶応義塾大学商学部 教授大東一郎

EREは経済学の実力を的確に測る手段

現代の経済学は国際的にほぼ共通化された知識体系をもっている。
学生の立場から見れば、経済学は、どこの大学に通っているか、どの先生に習ったかという個別事情を超えて、自分自身の努力で理解力を高められるチャンスの大きな学問分野である。

EREは、こうした経済学の基礎的理解・知識を素直に問う正統的な良問が毎回バランスよく出題されている検定試験である。いわゆるひっかけ問題を排し、経済学の真の実力を問うような問題が多いのが最大の特長といえるだろう。この点でEREは、経済学を学ぶ学生・社会人にとって自分の実力を的確に測ることができ、したがって高得点を取れるようになることで経済学の実力向上が図れるという、適切かつ有意義な検定試験となっている。

ますます増えているERE活用の試み

これを反映して、全国の大学経済学部の教育や大学院入試でも、EREの得点を活用する試みが増えてきている。各大学の先生方からも、主に経済学部を卒業していく学生を対象とした有益な提案がよく出されているようである。ここでは、EREが社会的にさらに認知・活用されるために、「継続受験」を推奨することが大切だということを強調させていただき、経済学教員の方々の参考に供したい。

「継続受験」で成績の向上を記録し、より客観的な自己能力の証明に!

第1に、学生の就職に際してEREの得点・ランクを役立ちやすくするためには、「継続受験」して得点の向上記録を残すことを重視するのがよい。企業に就職する場合、経済学の知識は直接に日常業務に使うわけではないことが多い。そのため1、2回受験してどんな成績を収めたかを示すだけでは、企業の人事担当者にはあまりアピールできないことがある。

雇用情勢が改善してくるにつれ、学生の将来性を見通して採用を決めたい企業は、学生が「いまどのくらいのことが出来るか」より、「いまできない仕事を近い将来できるようになる能力が高いか」を再び重視するようになるだろう。年2回のEREを4回受験すれば2年かかるが、その間に成績が向上していく記録を示すことで、学生は「自分で自分を教育する能力が高い人材である」ことを客観的に証明することができる。

EREの出題レベルは安定しているから、ともすれば教員との相性にも左右される大学の成績より、信頼できるデータとなる可能性も高いだろう。EREは、学力がついてから良い得点を取るために受験するばかりではなく、一定量の勉強ができたらどんどん受験してもらい毎回の得点の向上を励みにしてさらに勉強を積んでいくという使い方をしてもらうのがよいだろう。

アジア諸国を始めとした国際社会への貢献

第2に、EREには、増加しているアジア地域からの留学生に対して習得すべき経済学の知識体系を具体的に提示できるというメリットもあるように思う。アジア地域の大学を卒業した後に日本の大学院への進学を希望する人が近年増加しており、経済の勉強・研究を志している人たちも少なくない。しかし、本国で経済関係の学部を卒業しても、国際的スタンダードとなっている経済学の知識体系がどのようなものかを知らない人たちも多いのが現状である。

そこで、大学院受験準備としてEREで高得点をあげるよう推奨すれば、具体的な勉強の指針として役立つのではないか。この場合にも、1回だけよりは3、4回以上の継続受験によって実力の向上を図ってもらうことが大切である(受験料の留学生割引も考えられる)。留学生に受験を推奨することは、ERE受験者数全体の増加という面では大きな効果は期待できないかもしれない。しかし、長期的な視点に立てば、日本での勉学を終えて帰国した後に、彼らが経済学や産業界の先導者となるとともにアジア諸国での経済学教育の内容が改善されてくることも期待できるだろう。

さらにもし各国でEREのような経済学検定試験を作ろうという試みがなされるなら、経済学の知見をこれまで以上に広く国際社会に役立てられる可能性も拡がるのかもしれない。

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